PERK

serch
磯村暖_hellonearth

「Hell on Earth」
by Dan Isomura @UPLINK Kichijoji

アップリンク吉祥寺「ヨーゼフ・ボイスは挑発する」公開記念!
タイの宗教美術から垣間見る、人間の自由の在り方

2019.04.19 art event

昨年オープンしてからというもの、映画から派生したおもしろいイベントを続々と開催し続け、アート好きにはたまらないスポットとなったアップリンク吉祥寺。ただいま絶賛公開中なのが、第二次世界大戦後ドイツで民主主義を叫び、20世紀の「芸術」を変えた伝説のアーティスト、ヨーゼフ・ボイスのドキュメンタリー映画『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』。芸術によって社会を変えようと、美術館を飛び出して自由に自身を表現した彼は、世界中に大きな議論とセンセーションを巻き起こした。
そこでアップリンク吉祥寺では映画の公開を記念して、ボイスの唱えた「社会彫刻」という言葉をテーマに掲げたリレー展示「現代の社会彫刻」展を開催。その第三弾として美術家の磯村暖さんによる個展「Hell on Earth」が、現在展示中!
移民問題や同性婚など社会的な課題を組み込んだ作品などを制作する磯村さん。キース・ヘリング生誕60周年記念イベントでコラボレーションしたり、新進気鋭のアーティストとして、今注目を集めている。「現代の社会彫刻」というテーマのもと、「Hell on Earth」と題された今回の展示。その製作に至った背景、そして磯村さんが作品を通して社会へ投げかけるメッセージとは?

スクリーンショット 2019-04-15 17.23.17
「今回は社会彫刻の概念よりも手前に立ち戻って、所謂 “アーティスト”ではない人達が作るフォークアートの文脈をタイで発生した近代仏教表現である地獄を表すセメント彫刻から考え、現代までの飛躍を試みたいと思います。」と磯村さん。
現在も仏教が深く信仰され、”宗教”というものが人々の生活に深く根付いているタイ。タイの宗教美術は、時代とともにどんどん更新され、進化し続けているという。その中でも特筆すべき存在であるのが、地獄を表すセメント彫刻。1970年代より広がり始め、現在ではタイ全土各地の多くの寺院で見ることができるそうだ。そしておもしろい点が、その制作者は専業アーティストではなく、大工、僧侶、シャーベット屋などを本業とする一般の人々だということ。だからこそ、まるで地獄にいるようには見えない、ユーモアのある作品が出来上がるのだそう。

スクリーンショット 2019-04-15 17.25.30
これら地獄の亡者像が作られていった1970年代のタイの社会背景はというと、その頃タイでは度重なるクーデター、かつてない規模の民主化運動などが勃発した動乱の時代。

磯村さんは言う。「それは同時に民衆の間でも大きく価値観が変わるパラダイムシフトの時代でもあったはず。私はその時代に地獄の亡者達が、民衆たちの手によって立体として表現されるようになったことは偶然ではないと考えました。そしてまた世界的に社会のパラダイムがシフトし始めたと感じた2016年より、私は新たに地獄の亡者の彫刻の制作を始めました。」タイの宗教美術を用いて、独自の視線で自身の作品から現代の日本の社会にメッセージを届けているのだ。
スクリーンショット 2019-04-15 17.28.28

Photo_BABY MSR

「僕は、この映画をみんなに観てほしいと思っています。当時のドイツに民主主義がなくて人間に自由がないという話が出てきますが、今の日本でそういう風に感じる事が多いので、皆でボイスの事を話したい。」

beuys_poster_fin

アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国の劇場で公開中

 
「現代の社会彫刻」に間近で触れて、映画を見て理解を深める、こんな贅沢な機会はなかなかない!
磯村さんの個展は今月24日まで。
今週末は、是非アップリンク吉祥寺へ足を運んでみては?

 

information
アップリンク 吉祥寺

住所_東京都武蔵野市吉祥寺本町1-5-1 パルコ吉祥寺B2F

TEL_0422-66-5042

https://joji.uplink.co.jp

映画公式サイト
 https://uplink.co.jp/beuys/