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UPLINK Kichijoji

映画配給・上映を行うアップリンクの挑戦
実験的な5つのスクリーンが誕生

2019.01.15 art interior interview store

今、新しいシネマ・ムーブメントから目が離せない。
世界で最も小さな映画館として誕生し
“渋谷”を拠点に感度の高いセレクトで
インディペンデントな映画を配給・上映するアップリンクが
この冬、パルコの地下2階に新しい映画館「UPLINK吉祥寺」をオープン!
オーダーメイドのチェアと最先端の音響技術を取り入れる
実験的な試みが詰まった5つのシアターでは
どんな体験が待っているのだろう。

PARCOの地下2Fに“街”をつくる
映画館のあたらしいかたち

「真っ暗な中に映画を観に行って、終わったらまた街の中に出ていく、
そもそも映画館に行く行為って映画を観るだけではなく、社会の中に出かける体験なんですね。
だったらもうちょっと、映画館自体が面白い場所だったらいいなと考え始めたのがきっかけです」
お話いただいたのはアップリンクの浅井隆代表。
かつて、寺山修司率いる劇団・天井桟敷の舞台監督を10年間務め、その経験は
アップリンク吉祥寺まで引き継がれている。
「構想のモデルになっているのは今まさに変動する街、現在のN.Y.のブルックリンや、
1990年頃壁が崩れた直後、カオス状態だったベルリン、劇団時代、1975年に訪れたアムステルダム、
ミルキーウェイ(MELKWEG)の記憶。結局“変化している街”が面白いんですね。
まだ開発中で区画整備がきちっとされていないカオスでエネルギーのある“街”のような空間を、
パルコのビル地下2Fに作っていきたいと思っています」と浅井代表。

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パルコの地下2Fへ向かうと、ロビーで迎え入れてくれるのは音楽家ブライアン・イーノによる
空港のための音楽「Music for Airports」(1978)にちなんだ「Music for Cinema robby」というアンビエント音楽。
アップリンクが配給した最初の作品はデレク・ジャーマン監督の『エンジェリック・カンヴァセーション』。
デレク監督の遺作『BLUE ブルー』で音楽を担当していたサイモン・フィッシャー・ターナーさんに頼み、
今回アップリンク吉祥寺のため特別に作曲してもらったのだそう。
そんな細部にまでこだわられた空間の発想はどのように生まれたのだろう。

 

 

 

 

アートとサイエンスの進歩
映画館も進化していく

「モノクロからカラーになり、モノラルからステレオ、サラウンドに。
芸術的な面だけはなく科学がどう進歩して行くかが映画体験を変えていく。
映画ってもともとアカデミー賞の正式名称を見るとわかるんですが
“Academy of Motion Picture Arts and Sciences(映画芸術科学アカデミー)”といって、
要するにアートとサイエンスから成り立っているんですね。
ふつうであれば100席が3つ入るところを吉祥寺では29席~最大90席。
多様化している映画のジャンルやお客さんの好みに応えられるよう、異なるコンセプトを持った5つの空間をデザインしました。
椅子や壁紙、空間デザインが芸術の要素だとしたら、
田口音響研究所による最先端の平面スピーカーはサイエンスの要素。アップリンクはその進歩を取り入れて行きたい」。

 

 
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田口音響研究所の田口和典さんが開発した最先端の平面スピーカー(左)を導入。
オーケストラのそれぞれの楽器の音が混ざらずにそれぞれが聞き分けられるほど高精細な音を体験できる。

 

 

 

 

空間の肝になっているのは、パリの郊外にある椅子専門の会社、キネット社製の椅子。
形は10種類くらい、張り地は何百種類もある中からすべてオーダーメイドしていて
スクリーン2は座席が7列なので列ごとに色を変えて7色のレインボーカラーに、
壁紙は水色にして虹がかかっているようなデザイン。
スクリーン5ではストライプの椅子にウィリアム・モリスの壁紙にしたりと、
各スクリーンごとこだわりが尽きない。

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Screen1「POP」その名の通りポップな配色に壁紙はイーリー・キシモトのもの。

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Screen2「RAINBOW」座席前から見渡すと、虹がかかったように見える。

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Screen3「RED」アップリンク渋谷でも印象的な“赤い椅子”はさらにアップデートし吉祥寺でも健在。

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Screen4「WOOD」木目調の壁に深く腰掛けられる椅子、落ち着いた雰囲気ある空間が印象的。

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Screen5「STRIPE」5つの内最小のスクリーン。ストライプの椅子に壁面のウィリアム・モリスの絵柄が映える。自主上映会なども受け付ける予定。

 

“街”ということばの如く一周回れる設計になっているフロアは売店も充実。
クラフトビールやジョージアのナチュラルワインがずらり。
数量限定という世界初のクラフトコーラを作る専門店、コーラ小林さんの
「伊良コーラ(いよしコーラ)」を早速注文。
ふだんコーラを飲まない人も一杯飲みきるほどの爽やかでフルーティーな味わいはやみつきになりそう。
「和漢方職人だった祖父が、昭和29年に開業した和漢方工場の「伊良葯工(いよしやっこう)」の魂を
受け継ぎ、伊良コーラは誕生しました。100年以上も前のオリジナルコーラレシピに基づいて、
生のコーラナッツや、カルダモンやナツメグなど10種類以上のスパイスと柑橘類を最高の割合で
混ぜ合わせて作っています」とコーラ小林さん。

 

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ロビー横のマーケットスペースではPERKでもお馴染みのセレクトショップ、「Sister」の
ポップアップショップを展開、ギャラリースペースではモデルのモトーラ世理奈さんを撮り下ろした
ハービー・山口さんによる写真展を開催するなど“映画を観る”だけではない楽しいカルチャースポットになりそう。
アニメーション作家のひらのりょうさんやぬQさんが手がける映画開演前のマナーCMも
オリジナルなのでぜひお見逃しなく。
オープン後も、さらに”進化”は止まらない予感。
これからもアップリンクから目が離せません!

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PHOTO__Aya Kishimoto(horizont)
Edit__Moe Nishiyama

information

アップリンク吉祥寺

住所_東京都武蔵野市吉祥寺本町1-5-1 パルコ吉祥寺B2F

TEL_0422-66-5042

URL_https://joji.uplink.co.jp/