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At the break through point
Yumiko Sakuma

今を超えていく 彼女たちの通過点 vol.1
佐久間裕美子さん

2018.10.23 interview magazine

いつの時代も、己を貫いて生きている女(ひと)はカッコいい。
スピード感ある時代の中で自分のポジションを見つけることは簡単なことではないからこそ
第一線で存在感を放つ彼女たちのパワーに憧れる。
生き方を真似することはできないけれど
そのオリジナルな考えのヒントが知りたくて、
国境を超えて第一線で活躍するNY在住のライター・佐久間裕美子さんにお話を伺いました。

川久保玲、トム・フォードといったファッションデザイナーから
ライアン・マッギンレー、ビースティ・ボーイズといったアーティスト、
元スウェーデン首相までジャンルを問わず数多の著名人への取材をこなし、
第一線で活躍するNY在住のライター、佐久間裕美子さん。
大学卒業後、単身でNYに渡り、大学院を経て新聞社に就職するも出版、報道など、“会社”を転々とし独立。
著書『ピンヒールははかない』にも登場するインディペンデントな女性たちに重なる
形式にとらわれない、自由でタフな生き方はとても魅力的だ。
今に至るまでどのように選択し、困難を乗り超えてきたのだろう。
フリーランスとして働く佐久間さんのルーツ、NYに渡ることになったきっかけから聞いてみた。

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できないことも強みにしたら
自分のスタイルに自信が持てた

「母がフリーランスだったこともあってフリーで働くスタイルには憧れていたけど、
スキルもない上に就職氷河期と言われていた当時、日本で就職するのは難しいと思った。
だから一度は住んでみたかったNYに逃げるような気持ちでアメリカに行くことにしたんです」。
 その後6年間、“向いていなかった”会社員生活を経て独立。
決して楽とは言えない“フリーライター”という肩書きで今日に至るまで
20年間に渡り、様々な人を取材してきた。続けてこられた秘訣は何なのだろう。
 「映画監督もデザイナーも、最初はみんな赤ちゃん。その人がどういう風に育って、
どういう場所でどんなことを考えながら生きてきて結果どんなクリエイションを
するようになったのかということが結局一番面白いと気がついたから、飽きなかったし、
ずっと続けてこられた」。

 カギは、自分を知ること、だったという。
「いわゆる“社会人生活”をやろうとしたけれどすぐに向いていないと思った。
何が好きで何が苦手かを理解して取捨選択をした結果、自然に自分の生き方が
出来上がっていた感じです。自分が何者でどういうものが好きか、
意識的にできるようになるにはとても時間がかかったし一番大変なこと。
会社にいた時は 所謂“社会人”に馴染もうとした時もあったけど、できなかった」。
 できないことでも、好きなことを追いかけ続ければ強みになるしスタイルになる、
という佐久間さんの言葉は彼女の考えや意思と明確に繋がっていて、潔くて気持ちがいい。

 

「やりたいことがあったらとにかく人に話してまわる。私は自分を客観視するのが苦手だから、
すぐ人に聞きます。この服似合ってるかな?とかね。それに好きなこと、関心のあることは発信する。
耳を傾けてくれる人がいたおかげで、少しずつやりたいことが実現してきたし、仕事を通じて
たくさんのことを学んできた。
アメリカに来た当時も、全部の州を回るのが夢でとにかいろんな人に言い続けていたら
雑誌「coyote」編集部の方が声をかけて下さって夢が実現したんです。
ロバート・フランクの『アメリカンズ』50周年のタイミングだったんですが、
思いを発信していてよかったと思った経験のひとつです」。

 仕事の原動力も、旅や人生のヒントも、すべて“人”からもらうと語る佐久間さん。
 「人のおかげでアイディアが急に形になったり、思いもしなかった場所にたどり着いたりする。
悩みや課題に新しい方向性が見えたりもする。人とのコミュニケーションが、
自分というスタイルを作る助けになっているのだと思います」。

 

 

At The Break Through Point

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01.
ネイティブアメリカンの居留区から持ち帰ったクラフト。
『ヒップな生活革命』(朝日出版社)執筆や、人と物との関係性、物の作られ方について考えるきっかけになった。

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02.
ロバート・フランク『THE AMERICANS』(Steidl社 Reissue版)
この本の50周年にあわせて雑誌「コヨーテ」でやったアメリカ一周企画が、
キャリアの転換点になった。50’sアメリカのありのままを記録した名作写真集。

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03.
(左)ロバート・ハリス『人生の100のリスト』(講談社+α文庫)
(右)ジャック・ケルアック『オンザロード』(河出文庫)
「旅が大好き。人生は一度しかできない冒険だと思っている」
という佐久間さんにとって意義深い2冊。

profile

 

 
1996年に渡米し、1998年からニューヨーク在住。出版社、通信社などを経て2003年に独
立。川久保玲、トム・フォード、ライアン・マクギンリー、ビースティ・ボーイズから元スウェー
デン首相まで幅広いジャンルにわたり多数の著名人・クリエーターに取材するキャリアを持
つ。『ブルータス』『&プレミアム』『ヴォーグ』『WIRED JAPAN』など多数の雑誌に寄稿。著書
に「ピンヒールははかない」(幻冬舎)、「ヒップな生活革命」(朝日出版社)。今年の夏には自
身のメディアSakumag.comを立ち上げた。 慶應大学卒業。イェール大学修士号を取得。

 

 

PHOTO—Daniel Dorsa
TEXT—Moe Nishiyama