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At the break throw point
MASUMI ISHIDA

今を超えていく 彼女たちの通過点 vol.2
石田真澄さん

2018.10.26 interview magazine

いつの時代も、己を貫いて生きている女(ひと)はカッコいい。
スピード感ある時代の中で自分のポジションを見つけることは簡単なことではないからこそ
第一線で存在感を放つ彼女たちのパワーに憧れる。
生き方を真似することはできないけれど
そのオリジナルな考えのヒントが知りたくて、
ファッション雑誌からカロリーメイトの広告までこなし注目を集める
新鋭フォトグラファー・石田真澄さんにお話を伺いました。

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個人的な〝記録〞から人との〝距離〞へ
作品はひとつの指標になった

ぶれてしまうくらいのはじける笑顔や帰り道に出会う友人の背中の面影、
木漏れ陽を感じるアスファルトの質感……

どこかで見たことがあるような懐かしい感覚、そんな刹那的でもある写真が評価され、
今年カロリーメイトの広告にも大抜擢された写真家の石田真澄さん。
業界のトップキュレーターから注目を集める彼女は大学に通う傍ら、
ファッション誌や広告など数多くのクライアントワークをこなす。
彼女の写真集を見てもその力量が確かだが、作家としての写真と商業写真という
まったく異なる2者を両立することは決して簡単なことではないはず。
しなやかに生き抜く彼女はどのようにその壁を乗り越えてきたのだろう。
 「変わるのが怖くて、あの写真がいいって目に留めてもらった分いろんな人に
いまの写真変わったねって言われることは、今でも怖い。できれば変わりたくないと思ってます。
でも、今は写真って人との距離の取り方だと意識するようになってから、写真に対する考え方も少し変わりました」。

 注目を集めるきっかけになったのは高校時代を捉えた写真。
自分の“記録”として撮っていたという石田さんが捉えるのは誰かの記憶にはあるもの、だけれど
誰も意識して記録したりはしない、集合写真を撮る“前後の瞬間”や話したり歩いたりしている”途中”の光景だ。
 「そもそも写真を撮りはじめたきっかけは自分の“記録したい”という衝動でした。
自分が撮らないと誰も思い出さず忘れ去られてしまう、そんな恐怖があったから無我夢中で撮っていた。
けれど表参道のギャラリーROCKETでの個展で人から感想をいただいたり写真集として
一冊に編集していくことを通して、単に私の個人的な記録としてではなく、人との距離の記録であって、
実は誰もが見たことのある記憶の断片に共通する何か、を捉えているのかもしれないと
意識できるようになったんです。カロリーメイトの広告でも、それは生かされていると思います」。

 写真とは“人との距離の取り方”だと思う、という石田さん。
「クライアントワークだと特に、(写真を撮る前に)話した方が撮られていることを忘れてくれる人と
話さない方が自由に動いてくれる人が明確。
疲れたな、まだかな、なんて思われたらもういい写真は撮れないので、
会ってからどういう感じの人かなって即座に考えるんですけど、写真を始めたスタート地点、
高校時代に無意識的にできていた関係性は今ではひとつの目標として指標になっています」。
 写真学校などには通わず、すべて独学でキャリアを重ねるスタイルの彼女だからこそ、その言葉に実感が伴う。
これまでの経験を基盤に変えて、もうすでに、今までの彼女を超えて次のステップに向けて前進しているのかもしれない。

 

 

At The Break Through Point

 

01.
(上記写真)撮りためた写真の中でも特にお気に入りのカットを焼いて
アルバムに綴じることを習慣にしているそう。写真を撮り始めた当初のものから
冊数は何十冊にもなるとのこと。選び抜かれた瞬間の集合体は記憶を蘇らせるスイッチのよう。

 
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02.
田辺あゆみ・藤代冥砂『もう、家に帰ろう』(ロッキングオン)
中学生時代、石田さんが衝撃を受けた初めての写真集として紹介してくれたのは
フォトグラファーの藤代冥砂さんが3年間にわたり妻を恋人時代から取り続けた記録写真の名作。

 

 
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03.
雑誌の裏方にとても興味があって、商業カメラマンの名前はほとんど覚えていたというくらいの雑誌狂。
平林奈緒美さんがディレクションしていた当時の「GINZA」は特にお気に入りで
今でも自宅の本棚に飾ってあるとのこと。(写真提供・石田真澄さん)

 

 

profile

1998年生まれ。2017年2月に「i-D JAPAN」で“ミレニアル世代”の新鋭フォトグラファー
として取り上げられるも同年5月に表参道のギャラリースペースROCKETにて初の個展
「GINGER ALE」を開催し、話題に。その後も途切れることなくメディアでクライアント
ワークをこなし、2018年2月、初作品集「light years -光年-」をTISSUE PAPERSより刊行。
この夏「カロリーメイト」の広告“部活メイト”を手がけた。
雑誌や広告などジャンルレスに活躍の幅を広げている。 Instagram:@8msmsm8

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PHOTO—Taro Hirayama
TEXT—Moe Nishiyama