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Latest Fashion Brand Profiles Vol.1

ブランドの背景、作り手の想い
時代をリードする理由

2019.02.20 fashion

南青山のセレクトショップ「アデライデ」に足を運ぶと、
スタイリッシュに並ぶフレッシュなブランドたちにいつも心踊らされる。
ただあたらしいだけじゃなく、時代のムードを代弁し、未来に迎え入れられた洋服たち。
ビッグメゾンでキャリアを積んだ後の独立や、
確固たるビジョンを持ってインディペンデントに展開していたりなど。
出自を知ればそのブランドがますます好きになる。
ピーター ドゥはデザイナー本人のコメントもお届け!

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Peter Do(ピーター ドゥ)

Designer – Peter Do

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今季はアーヴィング・ペンをインスピレーション源に

高校時代にはじめて洋服作りを経験したというピーター ドゥは、ニューヨークのファッションスクール「FIT」を卒業後、セリーヌのデザインチームに参加。フィービー・ファイロのもとでランウェイコレクションの制作と開発に携わっていたという。その後、デレク ラムへの在籍を経て2018年1月に自身のブランドをスタートさせた。ファッション業界での輝かしいキャリアに加えて、ザハ・ハディッド(2016年に他界した世界的建築家)に見出されてコラボプロジェクトを立ち上げるなど、デビュー以前からその才能で広範に人々を引きつけていた彼女だが、自身もまた今季コレクションのヒントを写真家アーヴィング・ペンから得るなどカルチャー全般への造詣の深さをうかがわせる。労働者たちを被写体としたペンのポートレイト写真集『Small Trades』に、職業と個人のユニークな関係性を見出した彼女は、その感覚を現代女性のためのファッションへと美しく昇華させた。

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デザインする時はいつも「白」と「黒」をベースに考えているのだとか。シースルー素材に代表されるモダンなファブリックが、高度な手仕事によって上質に仕立てられている。

designer’s comment

最良の結果とは、繰り返し行った実験の成果なのです

「ベトナムで生まれたわたしは13歳でアメリカに移住し、今ではニューヨークがホームタウンとなっています。友人や家族も含めたこの街の人々がわたしにインスピレーションを与えてくれるのです。今季フォーカスをあてたアーヴィング・ペンの『Small Trades』もそうですね。名もなき人々を被写体にして、モデルや有名人たちと同等に撮影したあのプロジェクトは素晴らしいもので、それはわたしがやるべき仕事にも共通していることだと感じました。ピーター ドゥのクリエイティブディレクターとしてのわたしの仕事もまた、洋服のデザインを通してわたしがこの世界をどのように捉えているのかを示すものでなくてはいけないと思っていますからね。そのために熱心に働き、たとえ自分に自信が持てなくてもすべての可能性を試さなくてはいけないのです。最良の結果とは、繰り返し行った実験の成果なのですから。わたしはそのことをフィービー・ファイロから学んだのです」。

 

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KWAIDAN EDITIONS(カイダン エディションズ)

Designer – Lea Dickely&Hung La

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ビッグメゾン出身ながらカルト趣味を徹底する異端

それぞれがビッグメゾンでのキャリアを持つカップル、レア・ディッキリーとハン・ラーによって2016年に設立されたカイダン エディションズは卓越した洋服作りの技術を持ちながら、1964年に公開された日本のオカルト映画『怪談』を名前の由来とするなど風変わりなブランディングも話題のブランド。今季もまた、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督によるSF映画『World on a Wire(邦題:あやつり糸の世界)』に着想を得たというコレクションを発表し、美しいシルエットのパンツスーツや開襟シャツ、ドレススタイルをデザインする一方で、どこか非現実的なナイロン素材使いや不自然なカラーリングによって強烈な違和感を持たせている。

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アーティストデュオ「Exotourisme」とその世界観をシェアしたという今季。カッティングやシルエットにはリアリティを持たせながら、随所に強烈なアクを強さを感じさせる。

 

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ROKH(ロック)

Designer – Rok Hwang

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アダプタブル&タイムレスを掲げ
過去を“上書き”していく服作り

フィービー・ファイロのもと、セリーヌでアシスタントデザイナーを務めていた韓国人のロック・ハンによって2016年にスタートしたロックは、伝統的な美意識と独創性が共存した洋服作りが特徴で、2018年にはLVMHスペシャルプライズも受賞した。「アダプタブル(適合)」と「タイムレス(時間の超越)」というふたつのキーワードに通底したブランド哲学から生み出される洋服は、「パリンプセスト(すでに書かれていた文字を消してあたらしく上書きされた古文書。過去のものを更新していく行為)」とも表現され、そこにはクローゼットの片隅に古くからあったような安心感とコンテンポラリーなセンスが同居している。

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既存のワードローブのアクセントとなるような、エレガンスでありながらも独創性を感じる洋服たち。肩や腰に効果的に入れられたスリットが、現代的な女性らしさを感じさせる。

 

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MARINE SERRE(マリーン セル)

Designer – Marine Serre

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LVMHプライズだけでも三日月ロゴだけでも語れない

いくつかのメゾンでのインターンシップを経験した後、デザインアシスタントとしてバレンシアガに在籍していた2017年に、マリーン・セルは自身の名前を冠したパーソナルブランドでLVMHプライズを受賞した。ビッグメゾンで培ったシステマティックな洋服作りの工程と、その一方で図面を引かずにデザインするという感覚的で職人気質な一面も持ち、さらにはスポーツウェアへの皮肉も込められているという三日月ロゴの多用による記号的ファッションへのアプローチも行うなど、26歳という若さからは信じられないほどに、彼女のクリエーションは多面的で視座に富んでいる。「ハードコア・クチュール」と銘打たれた今季は、F1に着想を得てデザインされた。

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ファッションショーではコレクション全体を4つのライン(ゴールド、グリーン、ホワイト、レッド)に分けることで、ブランドの提案する様々な洋服のコンセプトをより明確に示した。