PERK

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Interview with
「Peter Do」designer
@ADELAIDE

NY最注目の若手デザイナーにインタビュー
その魅力に迫る

2019.12.24 fashion interview

2019SSに自身の名を冠したブランド「ピーター ドゥ」を
ローンチしてからちょうど1年のこのタイミングで、デザイナーが初来日!
来日を記念して、質の高い洗練されたセレクトショップとして
名高い「アデライデ」にてポップアップストアを開催中。
PERKでも何度も登場している、ニューヨークきっての新鋭ブランド「ピーター ドゥ」。
ますますそのクリエイションに磨きをかけ、
世界中からラブコールが止まらない若手デザイナーに、
服作りの源をインタビュー。

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服作りに恋した青年が
自身のブランドをつくり上げるまで

「いつも最高に幸せな気分で朝目覚めるんだ。自分が好きなことを仕事にできているわけだから、”仕事しなきゃ”って感じないんだよ」。自分のことを”Workaholic”=(仕事中毒)と認めるピーターが初めて服作りをしたのは、高校生の頃。「生まれてから幼少期をベトナムで過ごし、14歳の頃にアメリカのフィラデルフィアに移り住んだ。ハイスクールの一人の先生が、サスティナビリティやリサイクルについてとても詳しい人で、彼女と一緒にゴミのようなもの(Junk)から洋服を作って、ファションショーをする”Junk to Funk”っていうプロジェクトにトライしたんだ。お母さんにスーパーで20ドルのミシンを買ってもらって、放課後はずっと服作りをして……。その頃から今まで、ずっと服作りに夢中だ」。

 FIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)に進学後、ピーターの才能はみるみる開花し、2014年には「LVMH Graduates Prize」を受賞。その後拠点をパリに移し、フィービー・ファイロ率いる「セリーヌ」で2年間、そしてニューヨークに戻って「デレク ラム」で1年半経験を積んだ。彼自身、どちらのブランドも「ビック ファン」であるという。「セリーヌ」ではランウェイ制作に携わり、主にデザインを担当した。「デレク ラム」では、プロダクションやキャスティング、セールスに関することなど、さらに幅広いタスクをこなし、ビジネスという角度からもファッション業界を経験。
 そして、2019年春夏シーズンに自身の名前を冠したブランド「ピーター ドゥ」を立ち上げる。「その頃、僕を含め、なんだかみんなアンハッピーに感じられたんだ。ニューヨークの街の雰囲気も、ファッション業界全体も。だから、何か変化を与える必要があると思った。そして同じ考えを持ったみんなで集まって、このブランドが始まったんだ」。

 

 

あらゆる”問題”に、美しく可憐にアプローチ
「ピーター ドゥ」らしさって?

 シンプルな中でも遊び心に溢れ、上品でありながらも斬新で大胆。そんなバランスが見事にブレンドされて「ピーター ドゥ」らしさをつくる。「僕たちのブランドは、テーラリングのブランドだって言っていいぐらいテーラード ジャケットやドレス、パンツなどに力を入れているよ。そして、ファブリックの改善にもかなりこだわっていて、1つのアイテムを作るにしてもストレッチの効かせ方や、素材選び、ウォータープルーフにした方がいいんじゃないかとかアレコレ試行錯誤して、時には1年かかることもある」。
 ピーターが大切にしているのは、どんな時だって場所時を選ばず着ることができる「日常着」を作ること。「多くのブランドは、イブニングドレスやスポーツウェアなど、特別なオケージョンにしか着ることができないようなものを作っている。僕も好きなブランドはたくさんあるけれど、実際のマーケットとファッション業界には大きな溝ができてしまっているんだよ。だから僕は、本当にみんなが着たいと思うような服を作りたいんだ。今の女性たちは、忙しいだろ。1日中人前に出ていなければならない時もある。ディナーの前に家に帰って着替える時間もない。だから、仕事のあとにディナーがあってもバッチリ決まるような服。それは、機能的でありながらも着心地がよく、そして美しいもので、着ていて自分に自身が持てるような服。あと、2、3回着て捨てちゃうような服を買うような人も多いこの時代に、一生着たいと思うような服。僕たちは、そんな服を作る必要があると思う」。

 ローンチしてから、丸1年。現代の女性のために作られた美しくモダンなオリジナリティを軸に、2019SSは、アーヴィング・ペンの「Small Trade」、2019AWはヴィンテージカーにインスピレーションを受けてデザインされたという。毎シーズンごとに様々なコンセプトを掲げているが、今シーズンのテーマは「カラー」にある。「僕たちがコレクションを出す時は何か世の中の問題を見つけ、それを解決するためのアプローチを考える。それがコンセプトになるんだ。今回の『カラー』っていうのもそう。僕らはニューヨークブランドで、ニューヨークってブラックアンドホワイトのイメージがある。そんなモノクロの世界じゃつまらないと思ったんだ。そこで、ニューヨークのモダンアーティストの Mark Rothko、Ellsworth Kelly、Clyfford Stilにインスピレーションを受け、僕たちの得意なシルエットやフォームに、カラフルなレンズを通して見たようなデイウェアを作ったんだ。特に気に入っているのは、切り返しパンツ。僕自身レザーのパンツがとても好きなんだけど、レザーパンツって汗ばむだろ?だからスペーサー素材とミックスして最高の着心地に仕立てたんだ」。
 スペーサー(spacer)という、ピーター ドゥには欠かせないシアーのテキスタイルは、ジャケットやTシャツなど、クラシックでシンプルなアイテムにも様々な形で使用。薄いのに断熱性があり、シワがつく心配もなく、一気にスタイルを格上げしてくれるこのスタイルも、毎年改良を続けているという。
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 生まれはベトナム、セリーヌ時代にはパリ、そしてロンドンにも住んだことがあるというピーターだが、現在はニューヨークをベースにしている。様々な場所を知っているピーターが、ニューヨークを好む理由とは。「『ピーター ドゥ』を作り上げるためには、ニューヨークでなければいけないんだ。僕が一番”ホーム”だと感じる場所だからね。ニューヨークは活気に溢れていて、みんな何かに没頭していて、まさに”Work hard, Play hard”な街。僕みたいに、”Workaholic”な人も多い。そう言った点でも、自分らしくいられる場所で、自分次第で何にだってなれると思わせてくれる特別な場所なんだ」。今のところは、他の場所に移り住む予定はなしだとか。

 そして、このブランドを語る上でキーとなるのが「オンライン」。インスタグラムでは、制作の舞台裏などの写真が多く投稿され、彼自身の個人アカウントでもプライベートな生活を積極的にシェア。そもそも、「ピーター ドゥ」の始まりもオンラインだと言うから驚き。「『ピーター ドゥ』のメンバーとも、TumblerなどのSNSを通して出会ったんだ。でも、オンラインで人と出会ったり、コミュニケーションを取るのはとてもナチュラルなことで、特にPRだとかマーケティングとかを意識しているわけではない。僕らの世代にとっては コミュニケーションツールとして当たり前のことだから、新しいことをしているって感覚もないね。タイミングの問題さ」。また、そのSNSによくよく投稿されているのが、料理の写真。ピーター自身が作っていることも多く、そのクオリティを見るとかなりのグルメなのでは。「料理が大好きなんだ。仕事終わりに料理をするとストレス発散にもなる。あと、僕が幼い頃過ごしたベトナムが、とても食べ物を重視する文化で、大切な人と美味しいものを食べることにすごく幸せを感じるから、できるだけその幸せをみんなで分け合いたい。スタッフにもよく振舞っているよ」。好き嫌いの多いスタッフのためには、別で新しい料理を用意したりもする。「日本は本当に美味しいものだらけ!刺身やお好み焼き、たこ焼き、居酒屋料理にもトライしたけど、どれも最高さ。『オイシイ〜!』の連続だよ」。

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その勢いは止まらない!
ブランドとしての今後

 「今年は『学び』の年だったと言える。店頭に『ピーター ドゥ』のアイテムが並んだことで、どんな人に僕らのブランドが響くのかが明確になった。そして、チームのことを学ぶ時期でもあった。10年来の友人と、こうやってビジネスのパートナーとして一緒に過ごすことで、お互いのことを更に知ることができたんだ。今、12人のチームで会社を形成しているんだけど、それぞれの得意なところを生かして、ひとりひとりが大切な役割を担っている。会社のシステムとしても前向きに、いい方向に進んでいると思うよ」。ピーターはブランドとして、2019年に確かな手応えを感じていた。これから発表されるコレクションにも、止まることを知らない新鋭ブランドの勢いが感じられる。「2020AWにはシューズを発表して、その次のシーズンにはバッグのラインナップを増やす予定。ニューヨークでランウェイショーもしたいと思ってる。そして、5年後には、僕たちの街、ニューヨークにブティックを持つのが目標さ。2020年も何が起こるかとっても楽しみだよ!」”Workaholic”の彼は、日本からニューヨークに戻った後、年末も31日までビッシリ働く予定だとか。
 笑顔で語るピーターの眼差しは、未来にはっきりとした希望を見据えていた。自分の腕に確かな自信があり、ゴールが明確であるデザイナーの手がける服だからこそ、安心して身を任せられる。これから更に飛躍していくこと間違いなしの「ピーター ドゥ」のこだわりのアイテムたちをチェックしに、アデライデに急げ!
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information

“Peter Do Pop-up Store @ ADELAIDE” 

開催期間: 2019年12月21日(土) – 12月28日(土)

場所:ADELAIDE 住所:東京都港区南青山3-6-7 b-town 1F/2F 

※ポップアップストア開催期間中は、Peter Do の商品をお買い上げのお客様を対象に特別なノベルティをプレゼント致します。 ノベルティは 1 点ずつ、デザイナー直筆のサインとナンバーが施された限定品となります。