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CIFIKA
First Live in Japan@WWW X

オ・ヒョクとのコラボでも話題の、
越境的な魅力を持った韓国人アーティスト
シフィカの日本初ライブをレポート

2018.05.16 event interview music

4月27日(金)、渋谷の「WWW」、「WWW X」、「WWWβ」の3会場を使って
開催されていた巨大パーティ「Emotions」に、今回が初来日となる韓国人アーティスト
CIFIKA(シフィカ)のライブを観るために訪れた。Awich、BIM、Jin Dogg、Kick a Show、
kZm (YENTWON)、Seiho × KID FRESINO、TAWINGS、ゆるふわギャングなど、日本の
オルタナイティブな音楽シーンを盛り上げる新世代アーティストたちと並んだ
彼女の実力とは果たしたどんなものだったのか。

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VJの光で自身を透過させるような儚さ。
それでいて歌声は力強くストイックに

 ワンマンライブではない、多種多様なアーティストが複数の会場で次から次へとパフォーマンスを披露する
この種のパーティーでは、タイムテーブルの妙というべきか、出順の組み合わせが生む面白さを感じることがある。
THE OTOGIBANASHI’SやCreativeDrugStoreのメンバーとして活躍するラッパー/ビートメイカーの
BIMによるパフォーマンスは、クルーでのライブ時の掛け合いをVJに置き換えたような、
ソロならではの自由かつ個性的な試みで楽しませつつ、後半は盟友であるIN-DやJUMA(SIMI LAB)を呼び込み
有機的なグルーヴを重ねていくようなエンターテイメント性の高い構成だった。
そのような、いわゆるフロアが”沸騰する”ようなアクトの後だったからこそ、その直後に行われた
CIFIKA (シフィカ)のライブのストイックな音楽世界がより鮮烈に記憶に残ったのかもしれない。

 

 待望の日本初公演となったこの日の彼女のライブは、
Hyukohのボーカル、オ・ヒョクとのコラボ曲「MOMOM」などを聴きながら予想していた
ポップでキャッチーなミュージシャン像とも、昨今日本でも雨後の筍状態な、
ブームとしての宅録女子たちとも一線を画す、どこか無機質で冷たく、
そして陶酔的なもののように感じた(BIMのライブ直後だったからこそなおさらに)。
ステージ後ろの巨大スクリーンに映し出された抽象的とも宇宙的ともサイバーパンク的ともとれる
色鮮やかな映像を前に歌う彼女は、ほとんど動かず、まるでVJの光で自身を透過させるように、
それでいてはっきりとそこに存在しながら、その空間を司るシャーマンのように強烈な求心力を持っていた。
ビョークやインガ・コープランドすらも連想させるほどに。
ポップフィールドにおけるエレクトロニック・ミュージックの再解釈を担うグライムス的なアーティスト、
という勝手なイメージを彼女には持っていたが、実際に体感したそのサウンドはまるで
ベルリンのアンダーグラウンドなクラブでヴァージル・エンジンガーを聴いているような硬質な手触りだった。
ライブ直後に彼女と話をした時、その日履いていたデニムパンツが
ベルリンのクラブシーン発のブランド<GmbH(ゲーエムベーハー)>のものであることや、
尊敬するアーティストとしてダウンビート・テクノの旗手であるエレクトロニック・ミュージック界の才人、
Lusineの名前を挙げていたことからも、彼女が理想とする方向が教えてくれていたような気がする。
それは日夜消費される類のポップ・ミュージックとは明らかに違う、もっと深くて暗い場所なのかもしれない。

 

 NYで活動中のYaejiも含め、近年大きな盛り上がりを見せる韓国のエレクトリック・ミュージックシーンは
まだまだチェックし続けないといけないなと再確認した夜だった。
そしてこの日、WWW Xのトリを務めたのがサファイア・スロウズだったということも
素晴らしい”タイムテーブルの妙”だったと思います。

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PHOTO_Haruka Shinzawa、Kazuma Seto(horizont)
TEXT_Yohsuke Watanabe